2011年10月7日金曜日

さよならスティーヴ、ありがとうスティーヴ



 「その知らせ」は突然やってきました。しかもかなり遅れて目にした「その知らせ」に、私は打ちのめされてしまいました。

 今日、私は納品案件をかかえていました。しかも、提供するシステムで作成する帳票を毎月の実運用にのせるというとても大事な日です。私は、前日からまったく眠っていない状況で朝を迎えて極限まで疲労困憊していました。客先納品は13時。今日作成する帳票は、明日客先から客先のクライアントに対して渡される報告書兼請求書のような位置づけの書類となるので、社内で利用する帳票などとは違ったレベルの完成度を求められます。

 いつもなら一睡もしない状態でも頭は冴え渡っていて、脳内から得体の知れない物質が分泌されているといってもいいすぎでないくらい高速で高密度な作業ができるのに、あろうことかこんな日に限って猛烈な睡魔にノックアウトされ2時間弱ほどの仮眠をすることをよぎなくされたのです。幸い、仮眠から戻った後はかつてないほどの集中力をもって、信じられないような高効率な作業をすすめる事が出来たので、今日の納品は無事形をなすことができたのですが、その間タイムラインに触れることがまったくできない状況でした。

 客先における作業は、最終的に小一時間ほど押した形で18時頃には終了しましたが、その後も車で移動、母親との会食と続き帰宅するまでタイムラインをさかのぼることができなくて、世の中で何が起こっているのかがわかったのは深夜近くに帰宅した後になってしまったのです。

 最初に目に飛び込んできたのは実は「虚構新聞」でした。ウイットに富んだ内容が大好きで大ファンなのですが、今回の記事はいかに虚構新聞としてもちょっとやりすぎじゃないのかと思ったのです。「iPhoneの産みの親で、5日(日本時間6日)に死去したスティーブ・ジョブズ前CEO(最高経営責任者)の・・・・」おいおい、これってさすがにやばくね?ところがタイムラインをさかのぼるにつれ、信じられない悲しい知らせがずいぶん前からタイムラインを占拠していたのだということを知ることになるのです。

 今は、午前3時。24時間前には猛烈な睡魔に負けて椅子の上で寝オチしていた頃です。ところが今はまったく眠さというものを感じません。興奮状態といってもいいし、深く落ち込んでしまっているといってもいいかもしれません。

 スティーブの健康状態のことは、誤報も含めてたびたび報じられてきました。私を含む誰もが、スティーブが旅立つ日を漠然とではあるけれどそう遠くはない未来のこととして受け止めなくてはいけないことに苦労している、そんな頃でしたからその時がくるのを覚悟しているようで、実はなんの準備もできていなかったのです。

 それにしても、実際に亡くなった時間がいつなのかは知らないけれど、新しいiPhoneが発表されるこの日を待って旅立つなんて、ある意味すばらしい演出がされた最後だったのではないかと思います。少なくとも私はこの日のことを忘れることはできないと思います。そして、この日に発表されたiPhoneも、同じ日に最終リリースがされた私のシステムのことも、スティーブが旅立った「あの日」の記憶として、いつまでも、いつまでも。