2008年10月16日木曜日

iPhoneのあの微妙なカーブを手作業で作れるか


 はじめてiPhoneを手にしたときの感動を覚えているだろうか。写真で見ただけではわからない、手に吸い付くような感覚すら覚える微妙なカーブを持った魅惑的ともいうべき造形は私たちにiPhoneを手にする喜びを触感でも伝えてくれた。その感覚を生み出している微妙なカーブを、木片を削って再現してみることにした。

 なぜそんな事を思い立ったのかというと、布製のオリジナルなiPhoneケースのアイデアを思いついてそれを試作してもらおうと依頼するにあたり、布製なのでそれほど厳密である必要はないものの、実際の大きさがわからないとできあがりの確認もとりにくいだろうということで、モックアップが必要と言うことになったのだ。最初は段ボールと紙を貼り合わせて作ってみたのだが、おそろしく不細工な仕上がりになってしまったうえに、糊が乾かないうちになんとうちのにゃんこに踏まれてしまった。ただでさえ不細工な形状が歪んでしまったので、これは木片で作るのが最良であろうということになって、100円ショップで板やら紙やすりやらのこぎりやらを調達して制作にはいる。

 幸いにも、iPhoneとほぼ同じ厚さである12mm厚の板があったので、これをのこぎりで切り、角をおおまかにカッターナイフで削ってみる。そこからは、紙ヤスリで削ってゆくのだが削りすぎてはいけないので慎重に慎重に少しずつ削っていった。結局、この削り出すという作業は3時間ほどかかってしまう。途中から、なんだか仏像でも彫っているような気分にだんだんなってゆく。悪くない気分で、高揚しているといってもいい。たぶん、アルファー波が出まくっていたのではないかと思う。

 時間がかかった主な理由は、最初に板をのこぎりで切るときに少し大きめに余裕をもたせたことが仇になって、ほんの2〜3mmを紙ヤスリで削ってするサイズ調整がこれほど大変だと思い知らされたのだ。いないとは思うが、同じ事をする方がいらっしゃるのならば、最初の切り出し時点でかなり厳密にサイズを決めることをお勧めする。

 やっと納得のゆく形とサイズにおちついて、仕上げの磨きにをしてから塗装に入る。寸法さえわかればよいのだから木から削りだしただけでもよいようなものだけど、そこは気分だ。本当は、内部に重りも仕込んで重さも133gになるようにしたいとさえ思ったが、今回は省略。ちょうどよい重りが見つからなかったというのもある。


 表面は、iPhoneの写真を印刷した物を貼り付けることにして、背面はやはり白色に塗装した方が雰囲気がでるだろうとトライ。ついでに、フチの部分も銀色の塗料で塗ってみる。マスキングテープを貼ってスプレーするが、実はそんな作業をいまだかつてやったことがない。何度も、はみ出たり歪んだりして最後は妥協という名の応援を得てほぼ形になった。あとは、切り抜いた写真を表面に貼って全体にクリアを吹いてなめらかさを出して完了だ。おっと、アップルマークをどうするかな。

 作ろうとしているケースというのは、iPhoneのデザインを尊重して「裸で使う」派の方向けに、バッグやポケットなどにしまう時に収納することを想定したケースだ。かさばらず、邪魔にならず、いい大人が持っていても違和感がないような落ち着いたデザインで、こぎん刺しという日本古来の刺繍技術も活かせればいいなあとも思っている。少し和風な雰囲気になると思われるので、着物の女性にも似合うようなものができるかもしれない。

 もし、いい感じのケースができあがったらば、ここで紹介するつもりなので楽しみに。ただし、いつになるかは不明。

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